健康コラム

■糖尿病専門医が語る「健康で長生きを支援する」とは?
(この掲載文は、令和4年8月発行の「マイ健友の会だよりNO8」診療所訪問記のいけだ糖尿病・甲状腺クリニック(池田眞人先生)へのインタビュー全文です。)


甲府駅北口から、西進すると山梨病院、県立中央病院があり、甲斐市に入ると泌尿器科、皮膚科、内科医院が点在します。 その中ほどの交差点脇にある糖尿病専門医院を開業する池田眞人先生に患者の立場からの質問をお願いしました。
池田先生は、山梨医科大を卒業され、山梨医大病院、山梨病院勤務を経て、5年前から現在地で糖尿病と甲状腺の外来患者さんと向き合っておられます。

担当(以下):糖尿病専門医が語る「健康で長生きを支援する」とは?

池田先生(以下)当クリニックは,甲状腺,内分泌,糖尿病を中心とした生活習慣病に特化したクリニックです。 他の内科疾患や急性期疾患は,ホームドクターを持っていただき,そちらで対応してもらいます。

:糖尿病は本当に怖い病気なのでしょうか?

:糖尿病は,自分が病気と自覚できず慢性,進行性,致死性の治ることはない病気と言う点で怖い病気です。 他の病気と違い薬や注射で治るわけではないからです。
2型糖尿病であれば,生活習慣病であるため,生活習慣の「くせ」と「ずれ」に気づきそれを修正することで無症状のまま進行を止めることができます。 たとえ,薬やインスリンを使うことになっても,健康な人と同じように引き続き食事や運動の「くせ」と「ずれ」を修正することは必要です。 自転車に乗れるまでは練習が「辛い」と感じるかもしれませんが,乗れてしまえば当たり前のことです。

:甲斐市内では、診療所同士の医療連携が進んでいると伺いましたが?

:当院の周辺には、消化器,循環器,呼吸器を得意とする一般内科開業医の先生がたくさんいらっしゃいます。 また、耳鼻科,眼科,皮膚科,歯科,脳外科の医院の先生もいるので,放射線やカテーテル検査等以外の,手術を必要としない診療はホームドクターや専門の開業医の先生に紹介し,診療をお願いしています。 甲状腺の腫瘍の精密検査とバセドウ病放射線治療,糖尿病の教育入院や高血糖で種々の検査が必要な場合に関しては,県立中央病院や山梨大学附属病院と連携しています。

:多くの診察室と運動のできるお部屋もありますが?

:当クリニックの特色は,生活習慣病であれば,看護師と管理栄養士の療養支援を必ず受けてから,医師の診察になります。 通院すると言うことは,病気について理解し,生活習慣の修正に取り組むわけなので、どれだけ時間がかかっても足りると言うことはありません。 医師1人でこの全てを担うことは不可能なので、各コメディカルの得意分野を活かして、医師の代わりに療養支援を行ってもらっています。 そのため他の医院よりスタッフが多く、診療にかかる滞在時間が他院より長いかもしれません。

:開業医が「健康で長生きを支援する」診療方針とは?

:当院のモットーは「健康で長生き」を支援するとしました。 そのために「よく噛んで食事を味わう」と、寿命が尽きる直前まで自分の足で行きたいところに歩いて行けるよう「足腰を鍛える」を患者様に実践してもらっています。 患者の療養支援に力を入れているため、治験は参加していませんが、自分達の行なっている診療、支援の質を評価するため、倫理委員会の審査を経た上で、毎年学会での研究発表をしています。

:新型コロナへの糖尿病患者が心がけることは?

:新型コロナ対策は、今のところ、外来で治療できる手段がなく、対症療法しかないため、ワクチン接種を推奨しています。 特に糖尿病や肥満の患者は肺炎等重症化しやすいため、数日の頭痛や発熱等副反応が見られるとしても、ワクチン接種は重要です。 インフルエンザと違い、軽症の場合でも、いつ治るともしれぬ発熱と咳に怯えながらホテルや自宅で隔離を余儀なくされます。 酸素が必要となるような肺炎になれば、その苦しみは尚更です。 コロナウイルスは変異が激しいので、いずれインフルエンザワクチンと同様、型に合わせたワクチン接種を毎年できるようになると思います。

マイ健友の会 友の会だより第8号 編集担当


■「こぐれ眼科クリニックを訪ねて 緑内障は治すから克服する!」
(本コラムは「友の会だより第7号」に掲載された“診療所訪問記 こぐれ眼科クリニック”を基に再構成したものです)


平成20年5月昭和町役場前で眼科クリニックを始めた小暮諭先生は、山梨大学OBで同大学医学部附属病院の眼科医であったことから開業以来、医学生の講義を担当されております。
同クリニックの診療案内は、とても見やすいホームページで紹介されていました。また、中核病院との地域医療連携を積極的に進めておられます。

:小暮先生による講演会「緑内障は克服できるのか?緑内障との付き合い方」について大変興味深いお話だったと伺いました。 改めて教えていただけますか?

:これは毎年目の愛護デーの時に眼科医会が主催する講演会がありますが、平成28年の時の演目です。 この時は過去最多の参加者で大変好評でした。 話の内容としては緑内障として初めて診断された方は自分が失明するのではないかと大変不安になると思います。 それは緑内障が治らない病気で失明する病気として知られているからです。 しかし長年緑内障外来に通院している人の中には緑内障をあまり苦にしていない人を見かけます。 病気が苦になっていない状態は病気を克服したのに似ています。 だから治すことはできなくとも克服は出来るのではないかと考えました。 そのような人たちに共通しているのは長年通院し進行が抑えられているのが確認できた人です。 自分の平均余命と比べて生きている間は緑内障で失明はしないと予想されれば、安心できます。 それにはしっかり点眼治療を続け十分眼圧を下げ、進行していないのを確認するのに最低3年はかかります。 そのような月日を重ねていくうちに、今の治療を続けていれば大丈夫と思えれば克服したと言って良いのではないでしょうか。

担当(以下):外来される方々は、どんな症状の方が多いでしょうか? やはり緑内障が一番多いのですか?

小暮先生(以下):やはり午前中は緑内障の患者さんが一番多いです。 大学病院で診療していた緑内障の方が今も通っていてくださいます。 横浜や静岡、長野からも定期的に通ってくださる方もいましたが、開業から13年が経ち御高齢になり徐々に近所の眼科へ紹介しています。 郡内や峡北からは今でも多くの方が通院中です。 昭和町で開業しているので午後には子供の受診が多く、結膜炎やものもらいのような急性疾患も多く受診しています。

:当診療所には、入院設備はありますか? 連携先病院は?

:入院施設はありませんので、入院が必要な方は大学病院が近いので大学病院に紹介することが多いです。 自宅の関係や他の科でその病院に通院中の方は甲府市立病院や県立中央病院に紹介することもあります。

:当診療所の特色は?

:白内障や緑内障の日帰り手術をしていますが、大学病院も近いので連携して紹介することも多いです。 当院のホームページから初診の方でも24時間いつでも予約が取れます。 コロナの感染予防の意味も含めて蜜にならないよう予約を勧めています。

:コロナ禍になり、巷では スマホ老眼 が多いと聞きますが どのタイミングで受診したら良いですか? 予防法や治療法 など留意点など教えてください。

:もともと高齢で老眼のある方がスマホが見えなくともスマホ老眼とは言いませんので、この記事をお読みの方は普通の老眼かもしれませんね。 老眼の症状の出るはずのない若い方が集中して長時間近い距離でスマホを見続けると、目の調節筋が疲れて調節できなくなり、老眼の症状が出ることをいいます。 従って、病院で薬をもらうよりスマホを見る時間を減らし休憩を入れ、なるべく離して見ることが先決でしょう。 そうしても治らないようなら眼鏡調整や薬物治療も必要になるので受診すると良いでしょう。

:新型コロナワクチン接種が進んでいますが、まだの方のために外来患者さんの方々で接種を受けてはいけない方がいましたらどんな方が控えたほうがいいですか? また、接種される方は当日の体調面、目の具合等 注意点などありますか?

:眼科通院中の方でワクチン接種が問題になるのは手術を控えている方が一番問題でしょう。 ワクチンと手術の時期が重なるとどちらのせいで具合が悪くなったかわかりません。 またワクチン接種後に具合が悪くなって術後の通院ができなくなっても困ります。 だから当院ではワクチン接種前後の2週間に手術が重ならないようにしています。 その他の薬物治療で通院中の方はワクチンの影響は有りませんので安心して接種を受けてください。

☆こぐれ眼科で出会ったマイ健友の会の会員さんにお聞きました。☆

40代に他の治療で受診した折、緑内障が見つかりました。 緑内障は、継続治療で悪化を防ぐと言われていますので毎日朝夕3種類の目薬をさして、現在の状態を維持しています。
最近は老眼と思われる視力低下でパソコン通信を控え気味でしたが、ICT(情報通信技術)のおかげで音声と画像によるオンライン通信と出会い、新しい友だちとエンジョイする日々が増えました。  [ 甲府市 男性 70歳 ]

急激に眼圧が上がり15年前に大学病院でレーザー治療を受けました。 現在は、朝1回の点眼薬と隔月外来で何の不自由なく生活しております。
先日の診察で少し眼圧が高くなっているので様子を見て、点眼薬を2回にしましょうと言われ、定期健診の大切さを痛感しています。 失明することだけは何としても避けたいので先生の指示に従い、怖がらず検診と点眼薬治療で前向きに過ごしたいと思っています。  [ 甲斐市 男性 77歳 ]

マイ健友の会 友の会だより第7号 編集担当


■「緑内障治療には、薬物・レーザーと手術があります」
(本コラムは「マイ健友の会だより第6号」の“診療所訪問記“で紹介できなかった内容について、マイ健Net企画担当が再構成したものです)


山梨県内には、眼科診療を行う医療機関は、病院、診療所が50以上あり、その患者の多くは緑内障治療によるそうです。
今回の訪問先は、山梨大学附属病院の緑内障専門医で多くの手術を手掛ける柏木賢治先生(写真)に緑内緒の手術についてお話を伺いました。
先生は、山梨医大一期生として令和元年11月、眼科医学講座の教授に就任されました。また、早くから医療現場のICT化と地域連携に取り組まれております。

担当(以下):私は、発症してから15年のおつきあいになり、 定期検査で眼圧が少し高くなったので点眼薬の回数が増えましたが、 手術もありますとお話がありましたが詳しく教えてください。 緑内障の眼圧が上がって手術を勧められた場合の手術法は?(正常眼圧の方、それ以外の方)

柏木先生(以下):手術の目的は眼圧を緑内障が進行しない程度(これを目標眼圧といいます)まで下げることです。 この値は患者さん(目の状態)によって異なります。
あまり目標眼圧が低くない場合は、眼圧を下げる能力はそれほどではなくても安全性や術後の生活制限が少ない術式を選びます。
一方、かなり強く眼圧を下げる必要のある方はそれに適した術式を選択します。
現在術式の選択肢が以前よりかなり増えましたので患者さん(目)毎に適した方法を選んでいます。

:なぜ、手術が必要になるのですか?

:治療の基本は、薬物・レーザー・手術の3つになります。
多くの場合は薬物を使いますが、十分に治療効果が得られない場合や、副作用の問題で使用継続が難しい場合には手術を行います。 レーザーは薬物の補助的側面が強いです。ただ、海外では薬物より先に手術を選択している所があります。
いずれにしても上の3つの方法を患者さんの状態に合わせて担当医と相談して上手に組み合わせることが重要です。

:効果の持続はどのくらいですか?

:初回の緑内障を起こす明らかな原因となる病気のない場合、通常70〜80%程度の方は長期間効果は継続します。 ただ、個人差が大きいことも事実です。
薬物、レーザー、手術を組み合わせて治療をしますので。例えば白内障手術のように1回手術すると多くはその効果が非常に長期間続くというようには残念ながらなりません。

:術後の注意点は?

:眼の中にばい菌などが入る感染症が最も問題です。 充血や目のかすみ、流涙などが初期症状ですので、早期に担当医に連絡して治療を行うことが必要です。
また、手術の場合は、海水浴、激しいスポーツなどに制限を受ける場合があるので担当医に確認してください。

:白内障のある方の場合は?どちらが先か、あるいは同時にするのか?

:白内障で生活に支障がある程度に視力が落ちている場合は、緑内障があっても手術は可能です。 この際、緑内障に対して点眼などを用いている、より安定した眼圧治療が望まれる、点眼薬が負担などの場合は同時に手術を行います。

:手術費用は?

:保険負担状況や個々の患者さんによってかなり異なります。 また、高額医療補助が受けられますので、これは、病院事務に確認いただく方が良いと思います。

:手術対象年齢は?

:年齢は、基本的には赤ちゃんから高齢者まであります。患者さんごとに判断をしていくことになります。

:待機期間は?

:一度障害されると治せない病気ですので、可能なら早くしたいと思いますが、 緑内障でも比較的待ってもよい方と、緊急性の高い方によって待機期間が異なります。

:緑内障は治る病気でしょうか?

緑内障は知らず知らずのうちに進行する病気です。治療の効果が分かりにくいので、つい治療が疎(おろそ)かになりがちです。
また、改善させることはできない病気で生涯お付き合いをする必要があります。
幸い、適切な対応をしていれば、失明に至ることは少ない病気なので、過度に恐れることもなく、病気をよく知って治療を受けてください。

☆最近、緑内障手術をされた患者さんの感想を紹介します。☆

目にゴミが入っただけでも痛いのに緑内障の手術ってどうなっちゃうの?という心配は全くの取り越し苦労でした。 一か月ほど前、両眼とも手術を受け、今は予後に気を付けながら快適な毎日を過ごしています。先生方と看護師の皆さんに「感謝!!」です。
入院期間は片目1週間ずつの計2週間。手術時間は私の場合それぞれ30分位でした。
局部麻酔ですが痛みを感ずる事もなく「あっ」という間に終り、手術後は医師による経過観察や点眼薬の使い方などの指導を受け退院となりました。
緑内障は「早期発見・早期治療」と言われます。 私も異常を感ずることもない毎日でしたが、思わぬきっかけで気付くことができ、それからは定期的な診察と点眼薬、今回の手術により、視力喪失という人生の一大事に至らずに済んでいます。  [ 甲斐市 Aさん 75歳 ]

マイ健康レコード利用者の会 マイ健Net企画担当


■「糖尿病とは仲良く、お付き合いを!」

私は、この15年くらい、糖尿病患者さんへの看護に関わってきました。 現在の職場の前は、病院で、糖尿病外来に通院している患者さんと家族の相談を受けたり、インスリン注射の指導をしたり、足のケアなどをしていました。 糖尿病外来を担当する医師ほどたくさんの人には関わりませんが、それでも、10〜15人に朝から夕方まで、懸命に関わるので、夕方には、声が枯れてきました。

糖尿病は、日常生活を食事や運動など、生活リズムを整えることで血糖コントロールが良くなる病気です。 でも、その『生活』というのは、ひとり一人が違うので、こちらの関わり方も患者さんに応じて変えていきます。 そうすると、頭と身体がフル回転して、ヘトヘトになってしまうわけです。

患者さんにとっては、医療者に指導されたからと言って、40年、あるいは50年以上、慣れ親しんだ生活を変えるなんて、『そんなに簡単にはできない!』のが現実です。 もし、このコラムを読んでいる方の中に“糖尿病は、食事と運動を頑張ればいい簡単な病気”と思っている人がいらしたら、それは大きな誤解です。

自分の大切にしてきた生活を変えるなんて、そう簡単なことじゃない。

糖尿病は“自己管理”と、ひとりで頑張っている方がいらしたら、もっと、周りの人の助けを借りましょう。 家族、友達に、そして、私たち医療者もちょっとは、頼りにしてほしいと思っています。

山梨県立大学 看護学部 米田昭子


■「長寿の秘訣とは?」

長寿の秘訣は、ずばり「死なないこと」です。

この視点で考えてゆくと、何に気をつけて生きてゆけばよいかが見えてきます。
まずは日本人の死因をみてみましょう。

日本人の死因の1位は悪性新生物(癌)、2位と4位が脳血管障害・心疾患、3位は肺炎です。
肺炎の中には誤嚥性肺炎という脳梗塞などが原因で飲み込む力が落ちた結果おきる肺炎が多く含まれますので、2〜4位は「動脈硬化」の結果おきる病気がほとんどということになります。
これらの死因を排除できれば長寿につながります。

1位の癌に対しては、とにもかくにも早期発見を! 健診・人間ドックを受けましょう!
内科の定期通院では癌の検査はしないことが多いので、必ず受けてください。
また、喫煙している方は禁煙を!
食道癌や肺癌、喉頭癌などのリスクは喫煙です。喫煙は2〜4位の動脈硬化の原因にもなります。
禁煙なくして長寿なしです。

そしてこの2〜4位の動脈硬化の予防には、ずばり生活習慣病の継続治療(もしくは発症させない)です。 高血圧・高脂血症・糖尿病の治療には、塩分制限、食事制限(体重管理)、定期的な運動は理想です。
・・・が、やっぱり薬が必要なことも多いのです。
多くの薬は、単に値を改善させるだけではなく、長期に継続内服することで脳梗塞や心筋梗塞を予防して「健康に長生きする」効果が確認されています。

実際は長寿の秘訣はまだまだありますので、それらに関してはまたの機会にお話させていただきたいと思います。

山梨大学医学部第3内科(糖尿病・内分泌、腎臓内科) 一條 昌志


■「〜 食に関する話 〜」[「わたしのはなし」第9号]

健康な毎日を過ごすために!!
   〜 ほどよい食事を(食事内容も分量も) 〜

今日も一日元気で過ごそう!!って言ってますか?
そして「お腹すいたね・・・ご飯まだ?」って、一日3回言ってますか?
「食べる事は生きる事」でも、食べすぎたら一大事が待っているかもしれません。
そこで、今回は皆さまが健康で素敵に生きていける食事について書いてみます。
そう・・・階段を一段毎に上るように考えたら良いのです。
 一段目:食事を抜かないで!!
 二段目:主食(ご飯・パンなど)とおかずはほぼ同じ分量で!!
 三段目:食事について、特別に主治医の先生から指示されていることを注意する!!
炭水化物&糖質抜きなど、いろいろな情報が氾濫しているけれど・・・
昔からの食べ方で十分と思いませんか?
昔と違う事、それは「いろんなものが氾濫していること」 だから、分量だけでなくいろいろ摂りすぎが起こるのだと思います。
人には、その人なりに必要な食事摂取量があります。
「男性だから、2.500カロリーですよね!!」って尋ねられる事が多いのですが、そうではない事を少し知っていてください。
それは、社会状況の変化を反映しながら5年ごとに改定される「日本人の食事摂取基準」というものがあります。
現在は2015年版から、国民の健康の保持・増進・生活習慣病の予防のために参照するエネルギー及び栄養素の摂取量の基準が示されています。
また、生活習慣病の発症と重症化予防を重視した食事摂取基準にもなっています。(写真参照)
詳しい事がお知りになりたい方は、 お近くの管理栄養士にお尋ねください。

さて、本題に入りましょう。
ご飯を減らしすぎていませんか?
いつもご飯を食べているお茶碗におかずが全て入りきりますか?
これが出来たら健康な食生活はあなたのものです!!
カロリー計算て難しいよね・塩分もどれ位が適切なのか良くわからない!!
そんな時も大丈夫 これなら誰でも出来るから。
でも、今までの食習慣が「お腹いっぱい食べる」「私はグルメだから」そんな方には少し難しいかもしれません。
でも、あきらめないでください。時間はかかるかもしれないけれど、変えられない習慣は無いと思うから。ご飯とおかずは同じくらいの分量で!!
これを心のどこかにしまっておいて、必要な時思い出してくださいね。
少しでも実行できたら、生活習慣病予防・血糖値の良好なコントロール・血圧の安定等々、簡単に管理できるのではないでしょうか。

これが、ご飯を150gよそったお茶碗にきっちりおさまります。
エネルギーの計算は、本当に大変だと思いますので、まずこんな事から始めてみませんか?メニューは載せませんが、写真は2種類載せました。
詳細が必要な場合はお答えします。

山梨県栄養士会 管理栄養士 深澤 幸子


■「また 夏ですね!」[「わたしのはなし」第8号]

昨年に引き続き「水」についての情報を皆さまに・・・

ひとの(大人)の水分の割合知ってますか?
そう、約60%が水分で出来ているそうです。
半分以上が水分、何とみずみずしい私たちの体!!
でも、ずっとためている訳ではなく、ご承知の通り毎日汗や尿 などから失われていきます。
ダ・カ・ラ、きちんと補充することが「大切」なのです。

暑い夏 体に優しい水の飲み方って?
そうです・・・一度に一気飲みするよりも、コップ1杯くらいを こまめに一日7杯位飲むのがおすすめです。  (1日に摂取するペットボトル500mlで換算すると2本くらい)
でも、いろんな体の状況で“水分制限してくださいね”と言われている方は、これには当てはまりませんので主治医の先生 のご指導を受けて上手な水分補給を行ってください。

水分をとるgood timingは?
朝起きたとき・運動する時・お風呂に入る時(半身浴で長湯をするときも要注意ですよ)・夜寝る前・・汗かいたって意識できる時も、意識しない時も水分補給は「大切」って心に留めておいてください。

山梨県栄養士会 管理栄養士 深澤 幸子


■「風邪の予防できる食事の勧め」[「わたしのはなし」第7号]

栄養バランスの良い食事を!!
ウィルスに対する抵抗力や免疫力を高めるビタミン・ミネラルを十分に摂り、バランスの良い食事にしましょう。

あったかメニューで体を冷やさないように!!
鍋物・雑炊・おじや・うどん・スープなどは最適ですね。
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◎たんぱく質:基礎体力をつけ、抵抗力を高める。
      魚介類・肉・卵・大豆製品・乳製品など

◎ビタミンC:免疫力を高める
      イチゴ・ミカン・キウイフルーツ・ブロッコリー・ほうれん草・イモ類など

◎ビタミンA:のどや鼻などの粘膜を保護する
      ほうれん草・人参・かぼちゃなどの緑黄色野菜・ウナギ・チーズなど

◎亜鉛  :疲労回復、新陳代謝を活発にしたり、免疫機能を高める
      カキなどの魚介類、赤みの肉類、レバー、豆、ナッツ類・大豆製品など

山梨県栄養士会 管理栄養士 深澤 幸子


■「歯周病も生活習慣病?」[「わたしのはなし」第6号]

皆さまは、歯がなくなる原因をご存知ですか?
成人の41.8%は歯周病で歯をなくしています。では歯周病とはどんな病気でしょうか?
歯周病は、歯垢(プラーク)の中の歯周病細菌やその代謝産物の作用によって、歯を支えている歯周組織(歯肉、歯槽骨、歯根膜やセメント質)が破壊される病気です。自覚症状が現れにくいので放置されやすく、気付いた時はかなり進行していることが多く、進行するにしたがい、歯ぐきから膿が出たり、激しく痛んだり、歯がぐらぐらするようになったりして、最後には抜けてしまいます。

近年、歯周病はお口の中だけの病気ではなく全身疾患・特に生活習慣病に影響することが分かってきました。
生活習慣病とは食生活、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等のよくない生活習慣の積み重ねによって引き起こされる病気のことを言いますが具体的には、糖尿病、肥満、脳卒中、心臓病、高脂血症、高血圧、痛風、癌、慢性気管支炎、アルコール性肝炎、歯周病などが含まれ日本人の3分の2近くが生活習慣病で亡くなっています。
なかでも糖尿病は多くの合併症(腎症、網膜症、神経障害、脳梗塞、脳卒中、心筋梗塞等)を起こし、また高血圧や高脂血症がある人が糖尿病になるとそれらの症状を悪化させるので、生活習慣病の代表的疾患と言えます。
糖尿病と歯周病では多くの類似点があります。

歯周病の悪化 → 糖尿病の悪化
歯周病を引き起こす細菌が歯周組織から血管に入り込むと、血液中にサイトカインと呼ばれる物質が放出されます。この物質には、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きを妨げる作用があり、また歯周組織の炎症によって生じたタンパクは、ブドウ糖の代謝障害を起こします。それらの結果、糖尿病が悪化すると考えられています。

糖尿病の悪化 → 歯周病の悪化
糖尿病になると唾液の分泌不足により口の中が乾燥し歯周病菌が繁殖しやすくなる環境になります。また、高血糖によって起こる過剰な炎症反応などにより歯周組織(歯を支える組織)の破壊が継続的に起こります。なかでも血糖のコントロールがうまくいかないと、歯周病は急速に重症化すると言われています。
歯周病も糖尿病など生活習慣病と同様に健診が大事です。ぜひ「かかりつけの歯医者さん」で定期的に歯周疾患健診を受診するようにしてみてください。

山梨県歯科医師会 歯科医師 吉田 英二


■「塩分のお話」[「わたしのはなし」第5号]

12月から1月、年越し蕎麦・おせち・お雑煮!! 楽しい・美味しい・嬉しい季節ですね。 でも、ちょっと待って下さい。
美味しい物の誘惑には、何かが隠れている様な気がするのは私だけでしょうか? そんな思いから、今回は「塩分」のお話をしてみたいと思いました。

この度、山梨県は不名誉な事に「塩分摂取量日本一」
今これを読んでくださっている皆さま、心当たりはありませんか? 少し、思い起こしてください。 お寿司屋さんの湯のみ 大きいですよね・・どうしてでしょう?
お寿司の塩分考えた事がありますか?
握りの上一人前で、塩分は4g位と言われています。さてさて、塩分4gはどの位か想像してみてください。塩として考えると小匙4/5です。驚きますでしょう!!

お寿司屋さんの湯のみは、ほとんど大きいと思います。 食べながらお茶沢山飲みませんか?
原因は、塩分が多くのどが渇くからです。 ネタは勿論、寿司酢はご飯がつやつやする位、お砂糖やみりんが入ります。 それによりお塩の多さが隠されてしまうのです!
一度で良いです、習慣的につけるお醤油をつけないで、お寿司を召し上がってみませんか?ネタも活きると思います。

年越し蕎麦も、塩分注意報発令です!美味しいお蕎麦は、そば湯も最高・・ 全部飲んでしまったら塩分6gの世界突入! 気をつけて、少しずつそば猪口に移しましょう。

伝統的なおせち料理は? 伊達巻・昆布巻き・きんぴら・ごまめ等など塩分の塊ですね。 これも上手に塩分節約して美味しく食べましょう。
昆布巻き・きんぴらは調味料を入れても、素材の色がわかるような薄さで、時間をかけて煮詰めましょう。周りに味を集中させるのも一つの方法だと思います。
塩分1g控える事は、血圧を下げる事に通ずると信じて少し試してみませんか?

山梨赤十字病院 深澤幸子

お役立ち情報

マイ健康レコード利用者の会

NPO法人 慢性疾患診療支援システム研究会内 マイ健康レコード利用者の会